治療院立ち上げ日記 Episode 3.5

最終更新: 9月7日

一介の施術者として関わることになった訪問マッサージですが、残念ながらよい面ばかりではありませんでした。 以前に比べればずいぶん真っ当になりましたが、いわゆる「不正請求」という問題が未だに付きまとっているのも事実です。業界に関わる法律が整っていない点や、業界団体の力が盤石でないことにも一因があるのかもしれません。


マッサージは医療か?

ある年の12月のことでした。 鹿児島の事業所を訪れた際に、地元の医療、介護関係者を集めた勉強会が開かれました。僭越ながら私も医師や看護師の方々を前にして訪問マッサージの症例を発表する場面がありました。

勉強会が終わり、懇親会を兼ねた席でのことです。 地元の在宅医療に関わる先生方が集まっている中に、M先生はいました。 M先生は著書もいくつか出されており、また講演会などを積極的になさっています。以前、都内で開かれた講演会に参加して以来、機会があれば直接、話を伺ってみたいとかねてから思っていました。

宴席では、地元の先生方を中心に話が盛り上がっています。

思い切ってM先生に声を掛けました。 「先ほどお話しさせていただいた◯◯です」 自己紹介もそこそこに、単刀直入に聞きたかったことを投げかけます。


「先生は、訪問マッサージは医療の一環と思いますか?」


答えは「NO」でした。 いわく、医療費が年々増加している現代においては、ヒトの生き死にに関わるものについて医療費で賄われるべきとの意見でした。 「マッサージの効果は認めるけれど、(上記の理由から)それは自費で行うものだろう」 そのような話だったと記憶しています。


それはかつて、ある本を読んだ時に感じた衝撃と同じ重たさを持っていました。


医療にたかるな (新潮新書)

日本には、世界でも稀にみる国民皆保険制度があります。

しかし現代においては、その制度に依存する患者がおり、ぶら下がる医療機関があることを白日の下に晒しています。

それゆえ、医療費が37兆円(平成22年度)にまで増大していることを指摘しています。ちなみに平成29年度は43兆円となり、1年で約1兆円ずつ医療費が増えている計算になります。

それまでは、訪問マッサージを通じて在宅医療に関わっているという自負をもって仕事に就いていました。

しかし、村上先生の本を読み、M先生の意見を聞いているうちに、大局的に見ると私のしていることは保険外で行うほうがよいのではないか、という気持ちが芽生えてきたのも事実です。


隣の畑で行われていること


新宿や渋谷といった繁華街を歩くと、店頭に60分3,980円の看板を掲げたリラクゼーションの店が目につきます。

一定期間の研修を受けたのちに、リラクゼーションの現場で働く人たちは、この10年間で格段に増えました。やや古い情報ですが、2012年のリラクゼーション業協会の調査では、32,879名の方が従事しているという数字があります。2020年の現時点ではさらに大勢の方が従事していることでしょう。

これは、美容痩身を目的としたエステティック業を除いた数字です。

手技療法の業界がそもそもが矛盾を抱えていることは、すでに記したとおりです。既得権益が大きな壁となって立ちはだかり、旧態依然とした状況は変わっていません。


治療院立ち上げ日記 Episode 5.2


敢えて加えるとすれば、私も含めて手技療法に携わっている者は組織に属することを良しとしない、言い方を変えれば一匹狼の性分であることは否めません。 そのため業界団体を作ってロビー活動を行うことを得意とせず、政治に訴えるまでの力を持ち合わせていないことも事実です。


治療家という言葉に憧れて


そのような条件のもとに、あん摩マッサージ指圧師の資格を持つ者として、どのような道を歩んだらよいのでしょうか。


この命題は、独立を目指して営業マンを辞めた時よりも鮮明に目の前に現れてきます。

私の母の経緯や、高齢者の24時間を見てきた背景も含めれば、ヒトは痛みなく、自由に動けることを望んでいます。

本人の持つ自己治癒力を信頼して、治療家はその力が最大限に引き出されるきっかけと場所を提供していく。それが、自費で治療家を名乗るのに値する役割だろうと考えるようになりました。


・痛みなく日々を過ごせること ・不自由なく身体を動かせること


寿命が天から与えられたものだとすれば、それを全うするまでの間、肉体という器を快適な状態に保つことができる。そんな治療家を目指して精進したいと考えています。

(Episode 3おわり、Episode 4につづく)

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